べのした「うん。それで?」
有馬街道「その外部のIRBの設置者と住所が変わる。」
べのした「なるほど。」
有馬街道「そこで、問題なんだけれどさ、同意説明文書にも「IRBの情報」が記載されているので、その部分について改訂する必要があるかどうか、それと、再同意が必要なのかどうかなの。」
べのした「説明文書に記載されている治験審査委員会の設置者及び所在地の変更は、治験の事務的事項の変更に当たるものと考えられるね。」
有馬街道「うんうん。」
べのした「だから、治験に参加されている被験者の治験継続の意思に影響を与えるような情報とは考えられないので、文書による再同意の取得は不要だね。」
有馬街道「そっか。事務的事項の変更なら、再同意は不要なのね。」
べのした「それと、治験審査委員会の手順書等を事務所に備えて置くことにより一般の閲覧に供している治験審査委員会ということだったら、以下の対応も可能だね。」
↓
当該治験審査委員会より、当該変更事項に関する文書を入手し、それを以って、現在エントリー中の被験者へ情報を提供し、加えて、その旨を記録として残しておく。
有馬街道「あらたな被験者はどう?」
べのした「今回の変更後に、治験に参加される被験者の方に対しては、最新の情報が記載された説明文書を提供し、同意を取得する必要がある。」
有馬街道「それは、まぁ、当然だね。」
べのした「治験119の質問番号:質問番号:2010-36 治験審査委員会の所在地等の変更に伴う被験者への同意説明文書の改訂の必要性」を参照してね。
↓
http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/tiken119/207.html
べのした「ついでに、質問番号:2008-41 治験審査委員会の議事要旨の公表に伴う再同意取得の必要性にはこんなことも言われている。」
↓
http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/tiken119/112.html
有馬街道「どんなこと?」
べのした「2009年4月1日から「IRB手順書、委員名簿及びIRB会議の記録及びその概要」を公表することになり、説明・同意文書にIRB設置者のホームページアドレスを記載する必要はありますが、すべての治験について、既に上記内容を公表しているかあるいは2009年4月1日から公表した場合、既にIRBで承認された説明・同意文書を改訂し、IRBの迅速審査で承認後、新規登録の被験者には改訂説明・同意文書で同意を得、同意済の被験者には文書で再同意を得る必要はありと思われますか? 」
有馬街道「なるほど、で、どうなの?」
べのした「説明文書の改訂がGCP 第28条第3項の治験審査委員会(以下、IRB)に関する情報の公表に伴うGCP第51条第1項第15号に関する事項のみであれば、GCPの改正に伴うもの(IRBに関する情報が公表されたことを被験者に周知するもの)であることから、GCP第31条第2項に基づくIRBにおける当該説明文書改訂の審議、並びにGCP第54条第3項に基づく当該説明文書を用いた被験者の再同意については、必ずしも必要はないものと考えます。」
有馬街道「うん。審議も再同意も不要だったのね。」
べのした「したがって、当該説明文書については、実施医療機関と協議の上、迅速審査とすることで差し支えないと考えます。」
有馬街道「そうよね。こういう事務的な変更こそ、迅速審査でやればいいのよね。」
べのした「うん。時々『迅速審査』という言葉に惑わされて、重篤な有害事象の審議を、『迅速審査』でやる場合があるけれど、それはだめだね。」
有馬街道「そんな時は緊急審査ということで、IRBのメンバーの方に集まってもらって、審議するとかだよね。」
べのした「で、さきほどの件だけど、IRBの事務的な変更等は、今回の改訂内容が当該実施医療機関内で実施されている治験に関する共通事項である場合には、実施医療機関と協議の上、当該事項のみを記載した、治験共通の説明文書を作成することも可能だということよ。」
有馬街道「なるほど。」
べのした「また、GCP運用通知において「平成21年4月1日以降治験審査委員会の会議の記録の概要を公開した後に、被験者に交付する説明文書から適用されること」と規定されていることから、これ以前に同意を取得している被験者に対して当該説明文書による再同意を取得する必要はありませんが、当該説明文書により当該情報を被験者に提供した旨は、医療機関において適切に記録しておくことが必要と考えます、だってさ。」
有馬街道「了解。参考にするわ。」
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