2011年9月12日月曜日

新人モニターが次にやること:治験の現状を把握する

捨て猫「2番目にモニターがやることとして、治験の現状を把握するってあるけれど、これはどういうこと?」

りんご姫「自分が担当することになった治験が、今、どういう現状なのか、ってことだね。」

捨て猫「たとえば?」

りんご姫「目標症例数は何例で、現在、何例登録されているのか。それは目標値に対して何%なのか。」

捨て猫「なるほど。たとえば、目標症例数は400例で、現在、200例が登録されている。この数値は目標としている『半年で200例登録する』ことに対して80%の達成率だ、ということね。」

りんご姫「そう。それで、例えば、目標値を下回っている時は、どういう対策があるのか、自分ならどういう対策を練るか、とかだね。」

捨て猫「対策って?」

りんご姫「目標に対して常に下回っていたら、何が問題なのかを分析する。治験責任医師が治験に興味を示さないとか、そもそも選択基準・除外基準が厳しすぎたとか。」

捨て猫「治験責任医師が興味を示さないってことに対しては、まだ、対応があるけれど、そもそも選択基準・除外基準が厳しすぎた場合、対応策なんてあるの?」

りんご姫「そこを考えるって、わけ。例えば、僕の過去の事例で言うと、更年期障害の治験だったんだけれど、最初の頃は、大学病院でやっていた。」

捨て猫「うん。そだろうね。治験と言えば、大学病院、って時代があった。」

りんご姫「ところが、大学病院に通院している人って、更年期障害以外にも何らかの病気を併発していることが多い。糖尿病とか高血圧とか、卵巣がんとか。」

捨て猫「なるほど。それは大いにあり得る。」

りんご姫「となると、除外基準に抵触する患者さんが多くて、治験がなかなか進まなかった。」

捨て猫「そうだろうね。」

りんご姫「そこで、治験を実施する医療機関を大学病院から、市民病院やクリニックレベルに変えて治験をやった。」

捨て猫「どうなった?」

りんご姫「今度は、除外基準に抵触する人が少なくて、純粋に更年期障害の患者さんがたくさん、集まるようになったよ。」

捨て猫「なるほどね。プロトコルを嘆く前に、やれることがないか、考えるってことだね。」

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